肩井
kensei 足の少陽胆経 「出典」 「甲乙」 「由来」 肩の上部の陥凹部にあるので肩井と名づけられた。 「要穴」 手足少陽と陽維の交会穴。第7頚椎棘突起と鎖骨肩峰端を結ぶ線の中間点。 「取穴法」 @まっすぐ座り第7頚椎棘突起と鎖骨肩峰端を結ぶ線の中間点に取穴する。まっすぐ下ると乳頭にぶつかる。 A術者が手掌を肩甲骨下縁にあて、母指を第7頚椎の下にあて、4指を閉じて肩に置く。その時中指を屈曲させて 指先の当たるところに取穴する。 「主治」 @本系の巡行部の病症 頚項部の強ばり・痛み、片麻痺、ヒステリー性麻痺、肩背痛、落枕 A婦人科・外科の病症 難産、衣胞不下、崩漏、堕胎後の手足厥冷、乳癰、癰疽、疔 Bその他の病症 高血圧、瘰癧、咳逆、短気、疝気、胃痛、諸虚百損 「作用機序」 @本穴は手足少陽と陽維の交会穴である。経脈の走行部位の病症を主治するという原則に基づき肩背部の痺 痛、寝違え、下肢の萎痺等を治療する常用穴とされている。「八総穴花」では「両足肩井に捜す」といっている。臨床においてヒステリー性麻痺に有効であることが実証されており、よく速効性が見られる。本病の治療では針尖を後ろに向けるとよい。 A足少陽筋は膺乳に系かる。本穴には理気散結、活血化於の作用がある。したがって、乳癰その他の外科疾患の有効穴の1つに数えられる。この種の疾患を治療するときは針尖を前に向けるとよい。 B右手の母指を左の肩井穴にあてて揉み、左の掌を胃部にあてて軽く揉むと、胃痛には即時鎮痛効果がある。 C本穴は寝違え、肩痛治療の常用穴である。針尖は病所に向けて斜刺する。 D本穴は難産、衣胞不下、崩漏を治療する常用穴である。 「刺灸法」 直刺0.3〜0.5寸、深刺は厳禁。 「配穴例」 @難産:両肩井に1寸刺入し之を瀉すと、しばしの後必ず分娩する。(千金) A風毒脚弱痺:肩井、大椎、風市、三里。(資生) B乳汁不下:肩井両穴に針すれば、また効す。(儒門治親) C陽頽方:肩井に灸し、ならびに関元に灸すること百壮。(医心方) D諸虚労損、五労七傷、失精労症:肩井、大椎、膏盲、脾兪、下完、三里(大成) E癰疽背に発するもの:肩井、委中、またニンニク片を以て瘡上、関元に貼る。(大成) F瘰癧結核:肩井、曲池、天井、三陽絡、陰稜泉。(大成) G急性乳腺炎:肩井、曲池。(標幽賦) 「局所解剖」皮膚ー皮下組織ー僧帽筋ー肩甲挙筋 肩外兪 kengaiyu 手の太陽小腸系 「出典」 (甲乙) 「由来」 肩中兪を相対する事からこのようにいわれる。本穴は肩中兪の外方にあるため肩外兪と名付けられた。 「定位」 背部で第1胸椎棘突起の下、傍ら3寸。 「取穴法」正座して頭をたらし、肩甲骨周辺の垂直線と陶道からの水平線の交点に取る。 「主治」 本経の循行部の病症。 頚項部の強ばり・ひきつり・肩背部のだるさ・痛み 「作用機所」 経穴はその所在する部位の病症を主治する。本穴は主として肩甲部の痛みの治療に用いられる。 「刺灸法」 斜刺で0.3〜0.6寸刺入する。灸も可。 「局所解剖」 皮膚ー皮下組織ー僧帽筋ー菱形筋 頚横動・静脈の分枝 第1・2胸神経の後枝の皮枝、肩甲背神経 膏肓 koukou 足の太陽膀胱系 「出典」(霊枢)九針十二源 「由来」 病が深く難治であるものを「病、膏肓に入る」という。本穴は虚損した重い病床を治療することができることから膏肓と命名された。 「定位」 背部にある。第4胸椎棘突起下の外側3寸にある。 「取穴法」 腹臥位で第4胸椎棘突起下を取り、その外側3寸に本穴を取穴する。 「主治」 @臓腑の病床 呼吸器系:肺癆、咳血、吐血、四肢倦怠、骨蒸盗汗、咳嗽、気喘 消化器系:脾胃虚弱、消化不良、噎隔、嘔吐、虚損、五労七傷 生殖泌尿器系:夢遺失精(夢交や遺精で腎精を損失すること) Aその他の病症 肩甲背部の痛み、背部の癰瘡、乳癰 「作用機所」 @本穴は古来より虚損による疾病治療に使われてきた経験穴である。一般に長期にわたり灸を施すと治療効果が得られる。 A本穴は肩甲間部にあり、甲縫(肩甲間部にある経外奇穴)とも接近しており肩甲部や腕が痛む場合はよくこの部に痛感がある。肩甲部の痛みを治療する常用穴とされている。 B本穴は前後で乳房と対応するが、経穴には対応治療の作用がある。したがって乳癰治療に本穴及び乳房と対応する背部の経穴が選穴される。 「刺灸法」 肩甲骨の裏面へ向かって斜刺で0.3〜0.5寸刺入する。灸も可。 「配穴法」 @雑病(治らざるところなし):膏肓、三里、湧泉。 久嗽:膏肓、肺兪に灸する。 肩背痛:膏肓、肩井。(資生) A伝屍による骨蒸、肺萎:膏肓、肺兪、四花穴。(針灸四書) B労虚:膏肓、百労。(行針指要歌) 「局部解剖」 皮膚ー皮下組織ー僧帽筋ー菱形筋ー脊柱起立筋 中極 chuukyoku 「出典」「甲乙」 「由来」本穴はほぼ全身の「中(中央)」にあたる。「極(端)」は極端をあらわす語であることから中極と命名された。 「要穴」 @足三里、任脈の交会穴。「甲乙」 A膀胱の募穴。「脈経」 「定位」下腹部の全正中線上、臍の下4寸。 「取穴法」仰臥位。臍と恥骨結合線上縁中央を結ぶ線上の下1/5と上4/5の交点に取る。 「主治」 @泌尿器系の病症 小便不利、頻尿、尿痛、尿急、遺尿 A生殖器系の病症 遺精、陽萎、早泄、月経不順、痛経、崩漏、陰挺、産後悪露不止、胞衣不下、不妊 B神志の病症 屍蕨 Cその他の病症 疝気、積聚、奔豚 「作用機序」 本穴は膀胱の募穴であり、任脈に属している。任脈は「男子内結七疝し、女子は帯下痕聚す。」を主ることから、本穴は生殖器系、泌尿器系の病症を治療する主穴とされている。 「刺灸法」直刺で1〜1.5寸刺入する。灸も可。妊婦は注意して用いる。 「配穴例」 @屍厥:中極 僕参「甲乙」 A陰痒:中極 腰尻交 陰交 曲泉「資生」 B胎衣不下:中極 肩井「大成」 C陰茎虚痛:中極 太谿 復溜 三陰交「大成」 D経事不調:中極 腎兪 気海 三陰交「大成」 E血崩漏下:中極 子宮「大成」 F子宮復古不全:中極 三陰交 関元 陰谷 支溝 足三里 風府 腎兪 陽関「新針灸学」 「局所解剖」 皮膚ー皮下組織ー白線ー腹横筋膜ー腹膜外脂肪ー腹膜 浅層:浅腹壁動静脈の枝 浅層:腸骨下腹神経の前皮枝、深層:腸骨下腹神経の枝 気海 kikai 「出典」「甲乙」 「由来」気海、関元、石門はすべて「臍下、腎間の動気」すなわち元気と関係がある。 この部位は先天の元気の海であり、全身の気の病を主ることから気海と命名された。 「要穴」盲の源。「霊枢」九針十二原 「定穴」下腹部の前正中線上、臍の下1.5寸。 「取穴法」仰臥位。まず関元を取り、臍と関元を結ぶ線上の中点に取る。 「主治」 @臓腑の病症 呼吸器系:咳嗽、喘息、息切れ 消化器系:胃カン痛、脹満、阨逆、嘔吐、腹脹、水穀不化、大便不通、急性嘔吐、下痢 生殖器系:遺精、陽萎、早泄、月経不順、痛経、閉経、崩漏、赤白帯下、陰挺、産後悪露不止、胞衣不下、不妊 A神志の病症 中風説証、中暑説証、臍風 Bその他の病症 疝気、腰痛、臍周辺の痛み、四肢厥冷、五臓の気虚、喘息、るい痩、四肢乏力、小児の泉門不合 「作用機序」 @気海、関元、石門の3穴には全て元気を補う作用がある。元気不足あるいは元気虚脱であるもはこの3穴を取るとよい。 A本穴と関元、石門穴との違いは、本穴には元気を補う作用のほかに行気(気を行らす)作用があることである。 「刺灸法」直刺で1〜2寸刺入する。多壮灸も可。 「配穴例」 @尺脈遅、下焦有寒:気海 関元「脈経」 A崩中漏下:気海 石門「資生」 B積聚:気海 天枢(灸百壮)「資生」 C元気将脱:気海 関元 石門に各三百壮施灸 D月経不順:気海 中極 帯脈(1壮)腎兪 三陰交「大成」 E婦女赤白帯下:気海 中極 白環兪 腎兪「大成」 F遺尿:気海 関元 陰稜泉 大敦 行間「図翼」 G急性細菌性下痢:気海 天枢 上巨虚「三十年論文選」 H虚証:気海 関元 委中「行針指要賦」 I五淋:気海 三里「席弘賦」 J五淋:気海 血海「霊光賦」 「局所解剖」 皮膚ー皮下組織ー白線ー腹横筋膜ー腹膜外脂肪ー腹膜 浅層:浅腹壁静脈網 浅層:第11肋間神経前皮枝 深層:第11肋間神経前皮枝 |
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